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小林よしのり
2015.9.2 03:21政治・経済

徴兵制は「苦役」ではない!


朝日新聞(92日)の「耕論」のページにわしの意見が

載っている。

国民の『自主防衛』が原則」という見出しだ。

内容は「徴兵制は苦役ではない、国防は崇高な職務である

というど真ん中の意見から述べている。

 

これは全然、右翼的意見ではない。

民主主義の基礎的見解であるから、ど真ん中なのだ。

国民皆兵はルソーの「社会契約論」の要諦であり、

近代国家の骨格なのである。

安保法制反対のデモに参加した坂本龍一が、フランス革命に

憧れているらしいが、ならば国民国家のために、徴兵制に

賛成しなければならない。

 

安倍首相や読売・産経系の従米保守は、兵器が近代化したから

徴兵制はあり得ないと否定するが、現に自衛隊が隊員の確保に

苦慮しているのは事実である。

歩兵は必ず必要で、採用試験がそんなに難しいわけではない。

貧困層を狙う経済徴兵制は法の下の平等に反するという批判が

必ず出てくるので、徴兵制の方が理に適う。

 

安倍首相も従米保守も、教養が足らないし、臆病者だから

徴兵制を「苦役」などと言っているのだ。

「社会契約論」から見ても、従米保守は左翼である。

 

わしの意見を朝日新聞が載せたのは凄いことだ。

多分、抗議がいっぱい来るのではないか?

教養のある読者がいれば、むしろ賛成してくれるだろう。

「従米真理教」と化した無教養な自称保守に期待するより、

ポジショントークに堕さぬことを覚悟した朝日新聞寄りの

リベラルの方が期待できるのかもしれない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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